相談事例

焼津の方より相続についてご相談

2021年07月02日

Q:父が亡くなったので私と認知症の母が相続人となりました。手続きのできない母に代わり私が代筆できるかどうか、司法書士の先生にお伺いします。(焼津)

相続手続きについてご質問があります。私は両親と焼津にある実家で暮らしていましたが、先日父が亡くなりました。父は焼津市内の病院に入院していましたが、退院の目途がついた矢先の病状急変、悲報となりました。母は認知症を患っているのですが、父が亡くなったことすら理解できないようで哀れでなりません。とはいえ悲しむ余裕のないまま相続手続きを行わなければならないので遺品整理と併せて父の相続財産を調べたところ、焼津の実家と預貯金が2000万円弱でした。相続人は母と私の2人ですが、母は署名や押印はできないと思われます。このような場合、子どもである私が代筆したら違法になるのか、また、どうしたらいいのか教えてください。(焼津)

A:判断能力の乏しい方が相続人に含まれる場合、成年後見人を家庭裁判所から選任してもらい相続手続きを進めます。

認知症等により判断能力が不十分とされると、法律行為である遺産分割に関する手続きを行うことはできません。また、お子様であっても認知症のお母様の代わりに、正当な代理権なく相続手続きに必要な署名や押印をする等の行為は違法となりますのでご注意ください。

このように、相続人の中に認知症などによって判断能力が乏しいとされる方がいらっしゃる場合の相続手続きは、成年後見制度の利用が選択肢の一つとして挙げられます。

成年後見制度は、民法で定められた一定の者が家庭裁判所に申立てを行い、“成年後見人”という代理人を選任してもらい、その成年後見人が遺産分割を代理し遺産分割を成立させる制度です。

成年後見人は、家庭裁判所が親族など、相応しい人物を選任しますが、第三者である専門家がなることもあります。また、複数名選任される場合もあります。ただし未成年者、家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人、破産者、本人に対して訴訟をした又はしている人、その配偶者、その直系血族、行方の知れない者は成年後見人にはなれません。

成年後見制度は認知症等を患う方にとって最良の制度と思われるかもしれませんが、一度契約をすると遺産分割協議後もこの制度の利用は継続されるため、費用がかさむことを念頭に入れておく必要があります。今回の相続のためだけではなく、その後のお母様の生活にとっても成年後見人が必要かどうか専門家と相談し、熟考されてから活用するようにしましょう。

 

相続人の中に、認知症や障がいなどによって意思判断能力の乏しい方が含まれる場合は、当プラザの専門家へご相談下さい。静岡相続遺言相談プラザでは、相続の専門家が焼津にお住まいの皆さまの相続全般に関するお手伝いをさせて頂いております。

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