相続遺言に関するご相談事例をご紹介いたします。

遺産分割

藤枝の方より頂いた相続についてのご相談

2018年12月04日

Q:遺言書の内容と違う遺産分割をしてもいいのでしょうか?(藤枝)

先月父が亡くなりました。父は遺言書を遺していたので、相続人が全員そろった場で内容を確認すると父の財産である預貯金の他に、土地や株券、国債、ゴルフの会員権、美術品等を相続人それぞれに振り分けられていました。父なりに考えてそれぞれに振り分けたのだと思いますが、私たち相続人はそれとは違う遺産分割を望んでいます。相続人は母と私たち3姉妹ですが、全員が遺言書の内容の遺産分割には納得していないので、私たちが遺産分割協議を進めて遺言書の内容と違う遺産分割をしてもいいのでしょうか?(藤枝)

 

A:相続人全員の合意があれば可能な場合があります

遺言書による遺産分割の指示がある相続の場合、基本的に遺言書の内容が尊重されますが、相続人(遺贈がある場合は受遺者も含めた)全員の同意があれば遺言書の内容と異なる遺産分割も認められるとされています。ただし、これら全員の同意があったとしても遺言の内容と異なる遺産分割は認められない場合があります。

・遺言で指定した遺産分割の方法以外の分割を禁止する意思を遺言で明確にしている場合
つまり、遺言書で遺産分割の方法を指定し、さらにこれ以外の分割方法を認めないと明記されている場合です。

・遺言執行者が選任されており、その遺言執行者の同意が得られない場合
遺言執行者は遺言者の遺志である遺言の内容に従って執行することが本来の職務です。相続人と受遺者の全員が遺言と異なる内容の遺産分割を求めたとしても遺言施行者は遺言の内容に従って遺産分割をすることができます。

これらの場合は、もしそれ以外の遺産分割をしたければ、いったん遺言通りの分割内容で相続手続を行い、共同相続人や受遺者間で譲渡や売買などの新たな契約を結び希望する財産移転を行うことになります。

 

遺産分割や相続の問題でわからないことやご不安に感じることがあれば専門家への相談をおすすめいたします。遺産分割協議を正しく理解し、進めていかないとせっかくまとめた内容が無効になってしまうこともあります。

静岡相続遺言相談プラザでは相続に精通した司法書士・行政書士が自信を持って相続手続きのお手伝いをしています。お困り事があれば初回無料相談でお話をお聞かせください。

藤枝の方より頂いた相続についてのご相談

2018年11月01日

Q:亡くなった母の預金口座の入出金の状況を調べられますか?(藤枝)

先日母が亡くなりました。父はすでに他界しているので遺産は私と弟で法定相続分通りにわけあうことにしました。しかし、母から生前聞いていたある預金口座の残高が明らかに少ないような気がします。弟は母と同居していたので、その口座のお金について何か知らないか聞いたのですが、はぐらかされて答えてもらえません。

母は生前、銀行の出入金を弟に頼むことが度々あったようなので、そのまま弟が口座から自分のためにお金を引き出していたのではないかと疑ってしまいます。弟とは昔から仲が悪くまともに話し合いができません。私もしっかり納得して相続したいのでその口座のお金がいつどのくらい引き出されていたか調べる方法を教えてください。(藤枝)

 

A:相続人は単独で銀行に預金口座の取引経過を開示請求できます

相続が始まると、遺言書の有無を確認し、戸籍謄本などを調べ相続人を確定します。それから相続財産の調査をする必要もあります。その際に銀行預金があれば、通常は死亡当日の残高証明書を取り寄せます。しかし、被相続人が亡くなる前に相続人によって預金を引き出されているケースも珍しくありません。預金は相続人の共有財産なので、勝手に先に引き出してしまうことはもちろん許されません。

ご相談のケースのように口座の残高が明らかに少ないとなると、前もって引き出されたのではないかと相続人間で疑心暗鬼となり相続トラブルに発展する可能性もあります。そのような時、相続人はたとえ他の相続人の同意がなくても、単独で金融機関に預金口座の取引経過を開示請求することができます。もしお母様の預金をお兄様が勝手に引き出してしまっていたならば他の相続人の相続分の侵害になります。

相続人間での不必要なトラブルをさけるためにも、相続の問題でわからないことや不安に感じることがあれば専門家への相談をおすすめいたします。

静岡相続遺言相談プラザでは相続に精通した司法書士・行政書士が自信を持って相続手続きのお手伝いをしています。お困り事があれば初回無料相談でお話をお聞かせください。

島田の方より遺言書による遺産分割についてのご相談

2018年11月01日

Q:自筆の遺言書が新たに見つかったらそちらを優先すべきですか?(島田)

島田の実家の父が亡くなり、生前に父が残した公正証書遺言に従って不動産の名義変更等を始めようとしていましたところ、金庫の中から父自筆の遺言書が見つかりました。作成された日付は自筆の遺言書の方が新しいので、おそらく、父が公正証書遺言を作成したあとに思うところがあって、書き直したのかと思われます。私は父の最終的な遺志、つまり自筆の遺言書にしたがって遺産を分けるべきだと兄弟に伝えたのですが、その自筆遺言書の内容が気にいらなかった弟から反対にあっています。公正証書遺言に従って手続きを始めようとしていたので自筆証書遺言に従う必要はないというのが弟の主張です。確かに、公正証書遺言は公証人という専門家によって作成されて公証役場に保管されていたものなので、自筆の遺言書よりも優先されるようにも思えます。このような場合は、どちらが正しいのでしょうか?(島田)

 

A:公正証書遺言、自筆証書遺言に関わらず作成日が新しいものが優先です

確かに公正証書遺言は公証人という専門家が作成したもので、作成後も原本は公証役場に保管されるという点もあり、なんとなく自筆証書遺言よりも効力が強いように感じられるかもしれませんが、ご相談のケースのような場合、公正証書遺言か自筆証書遺言かに関わらず作成日の日付が最新で正しく作成されているものが優先されます。
つまり今回の場合、自筆証書遺言の方が効力を持つ遺言書となりそうです。

ちなみに、遺言書の存在を知らずに相続人間で話し合って遺産分割協議書を作成したあとに遺言書が見つかった場合も、遺言書の内容が優先されるので遺言書の内容と反する部分については原則として遺産分割協議はやり直しになります。遺産相続において、亡くなられた方の遺志を示す遺言書の効力はとても強力なのです。(ただし、関係者全員が同意する場合はその遺産分割協議を優先することも可能です。)

 

相続人間での不必要なトラブルをさけるためにも、相続の問題でわからないことや不安に感じることがあれば専門家への相談をおすすめいたします。
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