相談事例

藤枝の方より頂いた相続についてのご相談

2020年06月10日

Q:妹は生前父から援助を受けており、平等に相続することに納得がいきません。(藤枝)

藤枝在住の40代主婦です。先月父が亡くなり、葬儀を行って遺品整理を終えました。その際遺書などは見つかっていません。相続人は私と40代の妹の2人しかいませんので、先日2人で父の遺産相続について話し合いをしました。話し合いの前に、相続についての予備知識としてインターネットで相続について調べ、姉妹の相続分が同じであることは納得しています。しかし納得できないことがあります。生前父は仕事をしていない妹の生活費、結婚時の持参金、住居の贈与などの援助をしていました。妹は、高額の援助は過去のことだから法律通り財産を折半すべきと言っています。妹と遺産を折半というのは、まじめに働いていた私が損をしているようで、納得がいきません。生前に援助を受けていた相続人に対して何か法律はありませんか?(藤枝)

 

A:特定の相続人への高額な援助は「特別受益」に該当する可能性があります。

法定相続分において、配偶者が1/2、残りの1/2をご兄弟(姉妹)で均等に分割すると定められています。ただし被相続人が生前、特定の相続人に一定の資金援助(住宅費用等)を行っていた場合、相続人間の公平性を保つために、その援助金を「財産の先渡し」とみなし、「特別受益の持ち戻し」がなされます。援助の内容によりその生前贈与は特別受益とされ、それを加味して計算したものが相続分となる可能性があります。つまり特別受益となれば、妹様は遺産取得分から減額されることとなるのです。妹様の特別受益分を相続財産に加算し、その上で法定相続分を算出、そこから特別受益分を差し引きますので、ご姉妹の最終的な相続での取り分は平等にはなりません。

特別受益は自動的に認められるものではありませんので、特別受益分を持ち戻して遺産分割を行う場合には、先に相続人同士話し合いの場を設けて全員の同意を得ます。同意を得ることができなければ、家庭裁判所での遺産分割調停を行う事を検討します。調停の場では特別受益に当たるかどうか、評価も含めて遺産分割の話し合いを行いますが、調停によって話し合いがまとまらない場合には、審判によって決定いたします。

 

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