相談事例

島田の方より相続についてのご相談

2022年06月08日

Q:相続財産と呼べるものは不動産しかなく、相続人で均等に分けることが出来ません。分割方法について司法書士の先生にお尋ねします。(島田)

島田に住む父が亡くなり、相続手続きを行うことになりました。相続人は私と妹の二人ですが、妹は結婚してから島田を出たためほとんど疎遠になっています。妹には父の葬儀で何十年かぶりに会いましたが、いきなり相続の話をするのも気が引けましたので今回は触れませんでした。私は島田の実家近くに住んでいるので、時々父の様子を見に行ってはいましたが、男同士ですし、そんなに会話もなかったように思います。遺言書がないかと遺品整理がてら実家に行きましたが、暮らしは質素だったようで、遺言書がないのはすぐわかりました。晩年の父には財産と呼べるものはボロ自宅と島田郊外にある、利用価値のなさそうな空き地です。現金は老後の生活費で消えたようです。兄妹で自宅と空き地で分ける案も考えましたが、現金化して考えると価値に差があるのではないかと思い、まずは専門家の意見を仰ごうと思い問い合わせました。(島田)

A:相続財産を売却して分割する方法以外にも、不動産を手放すことなく分配する方法もあります。

遺言書が残されていなかった場合の相続についてご説明します。

被相続人が亡くなると、財産は一旦相続人の共有財産となります。相続人が複数名いる場合は均等に遺産分割を行わなければなりませんので、今回のご相談者様の場合は妹様と相続財産である不動産を均等に分ける必要があります。この話し合いのことを遺産分割協議と言います。一番簡単な方法としては【換価分割】という、不動産を売却して得た現金を等分する方法がありますが、ご自宅を手放すことは出来れば避けたいという方が多くいらっしゃいますので、不動産を売却しない方法をご紹介します。

【現物分割】

遺産をそのままの形で相続人同士分ける方法です。ご相談者様の場合は例えば、お兄様がご自宅で妹様が空き地となりますが、ご相談者様が懸念されていた通り、それぞれの不動産の価値が大きく異なる場合は不平等となります。相続人全員が納得すればスムーズな遺産相続です。

【代償分割】

相続人のうち一人または何人かが遺産(不動産)を相続し、残りの相続人に代償金ないし、代償財産を支払います。ご相談者様を例にしますと、お兄様がすべての遺産を相続して、お兄様は相続した不動産の評価額相当分の現金(または代償財産)を妹様に支払います。不動産を手放すことなく遺産分割を行うことができますが、相続した側はある程度の現金を用意しなければならないため、相続した自宅に相続人が住んでいる場合などに検討される方法です。

いずれにせよ、ご相談者様は遺産であるご自宅と空き地の評価(価値を調べること)を行ってから遺産分割協議を行いましょう。

 

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